コロンボ警部最大の事件「パイル D-3 の壁」 ― ピーター・フォークのコロンボは無かったかもしれない難題を抱えていた問題作。

コロンボ警部最大の事件「パイル D-3 の壁」 ― ピーター・フォークのコロンボは無かったかもしれない難題を抱えていた問題作。

ピーター・フォーク唯一の監督作品。

これは「刑事コロンボ」の第1シーズンの最終話。そして、ピーター・フォークが演出をしている。
『シリーズを一本、監督したい。』と要求していたピーター・フォークに対して、返事は芳しく無く。『もう一つの鍵』を撮影中、一旦は出した OK を撤回されたことでピーター・フォークが撮影中に帰宅する自体さえ起こっていた。 ― だったから、『もう一つの鍵』はコロンボの冴えが中途半端なのかな。 ― そんな、ハプニングもあったからかテレビ局が『刑事コロンボ』に感心を寄せ、『死の方程式』を追加注文する条件にピーター・フォークが出演するならという交換条件で監督を許可した経緯が、この『パイル D-3 の壁』の背景には有る。 ― 刑事コロンボ・シリーズの撮影現場にも巨大な壁がこの時、立ちはだかっていたのだ。

レイン・コートはよれよれで、咥えた葉巻の灰を床に落としながら捜査していく。コロンボ警部の姿は TV でお馴染みになっていただろうけれども、ピーター・フォークの演じていない『刑事コロンボ』を観ていたかもしれない。

違う。場合によっては、アメリカでヒットしなければ NHK が日本語版を制作したかは無かったかもしれない。

わたしもコレクションを持ってるんですよ。

ジャズ調の BGM は観賞のポイント。
葉巻の箱に爆薬をしかけるというユニークな犯行方法や、ロープウェイのゴンドラという逃げ場のない空間でのクライマックスはコロンボ・シリーズ中でも最もインパクトのあるものだろう。
そして音楽が、また良い。ギル・メレが個性をフル発揮したジャズ・フィーリングの BGM にはコロンボの処女作、殺人処方箋が蘇る。しかし、それは怪我の功名だったと見て取れる。音楽は観賞のポイントだ。
監督 ピーター・フォーク
助監督 ウィリアム・J・ホール・Jr.
演出 左近允洋 (吹き替え版演出)
キャスト ピーター・フォーク(男優) コロンボ
パトリック・オニール(男優) エリオット・マーカム
ジャニス・ペイジ(女優) ゴールディ・ウィリアムソン
パメラ・オースティン(女優) ジェニファー・ウィリアムソン
フォレスト・タッカー(男優) ボー・ウィリアムソン
ジョン・フィードラー〔男優〕(男優) モス医師
ジョン・フィネガン(男優) カール
クリフ・カーネル(男優) ウィルスン刑事(白バイ隊員)
ニック・デニス〔男優・1904年生〕(男優) 警備員
ロバート・ギボンズ〔男優・1918年生〕(男優) 市役所職員
ベティ・アッカーマン(女優) シャーマン女史(マーカムの秘書)
ジミー・ジョイス(男優) 工事現場作業員
小池朝雄 コロンボ(日本語吹き替え版【NHK・DVD】)
中西妙子 ゴールディ(日本語吹き替え版【NHK・DVD】)
矢田稔 モス医師(日本語吹き替え版【NHK・DVD】)
加藤治 カール(日本語吹き替え版【NHK・DVD】)
若本規夫 ウィルソン巡査(日本語吹き替え版【NHK・DVD】)
水鳥鉄夫 市役所の係(日本語吹き替え版【NHK・DVD】)
谷口節 (日本語吹き替え版【NHK・DVD】)
銀河万丈 コロンボ(日本語吹き替え版【DVD追加録音】)
原作 ウィリアム・ケリー (原案)
スティーヴン・ボチコ (ストーリー・エディター)
ウィリアム・リンク (キャラクター創造)
リチャード・レヴィンソン (キャラクター創造)
脚本 スティーヴン・ボチコ
音楽 ギル・メレ
作曲 ヘンリー・マンシーニ (”Mystery Movie Theme”)
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト 「ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 K.478 第1楽章」
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 「弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 作品18の1 第1楽章」
ヨハネス・ブラームス 「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83 第2楽章」
撮影 ロイド・エイハーン二世
製作 リチャード・レヴィンソン
ウィリアム・リンク
制作 東北新社 (日本語版制作【追加録音】)
美術 アーチー・J・ベーコン (美術監督)
ウェイン・フィッツジェラルド (タイトル・デザイン)
衣装 バートン・ミラー
編集 ロバート・L・キンブル
スティーヴ・ジョンソン〔編集・カラリスト〕 (ノンクレジット)カラリスト
録音 ロジャー・A・パリッシュ
アルフレッド・J・カランザ (ノンクレジット)録音編集補
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